【ワインとシャーロック・ホームズ】

シャーロック・ホームズといえば、
名探偵の代名詞であり、

まさに、世界一、有名な名探偵とも言うべき存在です。

勿論、シャーロック・ホームズは、フィクションの産物ではあるのですが、
ある意味、作者のコナン・ドイルよりも有名な存在になってしまった、と言っても過言ではありません。

それだけ、シャーロック・ホームズが、
世界中から愛される、魅力的なキャラクターである、という事が言えるかと思いますが、

そんな、魅力溢れるシャーロック・ホームズの物語の、魅力の一つとして、
ホームズが活躍した、19世紀末~20世紀初頭のロンドンの息吹を感じる事が出来る、という事が挙げられると思います。

例えば、当時の人々の生活に関する描写も、多数描かれていますが、

当時の食事に関する描写も、沢山出てくるので、そういう意味でも、

「当時のイギリスの人達は、こんな物を食べたり飲んだりしていたのか」

という事を知る事が出来る楽しみも有ったりします。

そんな、シャーロック・ホームズの物語で、『最後の挨拶』という作品が有りますが、

その中で、シャーロック・ホームズと、彼の相棒であるワトスン博士が、ある場面で、
トカイ・ワインという、ハンガリー産のワインを酌み交わしているのですが、

それが、物語の劇的さに、より一層、彩りを与えていて、私は、とても印象に残りました。

この、トカイ・ワインというのは、貴腐ワインという種類のワインなのですが、

貴腐ワインとは、
貴腐菌というカビがついた白ブドウを原料としており、

貴腐菌がついたブドウは、菌によって水分が 抜けるため、糖分が凝縮して、非常に甘いワ インが出来る、という事だそうです。

この、トカイ・ワインは、『最後の挨拶』以外では、『四つの署名』という物語にも登場しますが、

果たして、どんな場面で登場するのかは、
読んでからのお楽しみです。