【オードリー・ヘップバーンとケイリー・グラントのワイン秘話】

オードリー・ヘップバーンケイリー・グラントという、

当時の二大スターが共演した事で有名な、『シャレード』(1963年)という映画が有ります。

私も、『シャレード』は、とても好きな映画なのですが、 オードリー・ヘップバーンとケイリー・グ ラントは、 それまで、何度か共演しそうになった事は 有りましたが、 その顔合わせは、諸々の事情により、なかなか実現せず、

この『シャレード』で、待望の初共演になった、 という経緯が有ります。

シャレード』の監督、スタンリー・ドーネンの手配により、 撮影に入る前に、オードリーとグラントの 初顔合わせが、 あるレストランで行われた時の事。

オードリーも、グラントとの顔合わせを、 とても楽しみにしていましたが、 それと同時に、とても緊張していたそうです。

やがて、顔合わせの時になり、3人はレストランの席に着きましたが、 オードリーは、

「初めまして!」と言って、グラントに向かって頭を下げた時に、 何と、ワインのボトルに頭をぶつけてしまい、そのボトルをグラントの方に向かって、倒してしまいました。

ボトルの栓は開いていたので、 ワインは、グラントの着ていたクリーム色のジャケットにかかってしまうという、大変な事態に!

オードリーは、顔を真っ赤にして、

「本当にごめんなさい」と謝りましたが、

グラントは、「なーに、大した事ありませんよ」と、ニッコリ笑い、 ナプキンで軽く拭くと、何事も無かったかのようにしていて、 ひたすら恐縮するオードリーを、逆に気遣っていたそうです。

これこそが、まさに大人の気遣いと言いますか、 ケイリー・グラントの人柄を表しているようで、私は、このエピソードも、とても大好きです。

このワイン事件のお蔭で、却って二人の距 離は縮まり、 『シャレード』という名作誕生に繋がったとの事。

だとすると、まさに、名作を生んだ運命のワインだったと言えるでしょう。